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スーツのうしろ姿を格好良く見せる方法

2019.04.01

ビジネスマンの多くが着用しているスーツ。
格好良く着こなすために、うしろ姿を美しく見せることはとても重要です。
「うしろ姿は自分では見えないから」とおろそかにしていませんか?
ぜひ、『スーツは「肩と背中」で決まる』ということを覚えておいてください。

まず、バブル時代からよく見かけた「肩がずれ落ちたブカブカスーツスタイル」、細身のスーツを無理に着ている若者がしがちな「肩も背中もパツパツで、丈が短くお尻が丸見えスタイル」は絶対にNGです。

うしろ姿を最もステキに見せてくれるスーツを追求するために、40歳を節目に オーダースーツの体験をおすすめしていますが、そこまでコストをかけられない場合は、セミオーダーという方法もあります。それも難しい場合は、既製品のスーツでも、肩合わせをしっかりしてもらい、できる範囲で直しを入れてもらってください。

もともと肩が狭い人やなで肩の人は、肩パッドなどを活用するのがおすすめです。上着の長さは、ヒップの下の部分がきれいに隠れている必要はありますが、軽やかさを印象づけたいときは若干短めに、貫禄や落ち着きを表現したいときは若干長めにしておくとよいでしょう。しかし、短すぎる丈は未熟な印象に、長すぎる丈は野暮ったい印象につながりますのでご注意ください。

うしろ姿のポイントは「ベント」

さて次に、うしろ姿を素敵に見せられるかどうかを左右するパーツがあります。
それが、スーツの裾の切れ込み部分の「ベント」です。

このベントの種類と背景、さらにどんな印象を与えるかについてご紹介します。

中央に1か所切れ込みがあるセンターベント
乗馬の際に裾が巻き込まれず、皺になりにくいようにつくられたもの
→「スポーティ」な印象

左右に2か所切れ込みがあるサイドベンツ
腰にサーベルの鞘が綺麗に覗くように設計された軍服用のベント
→「権威的」な印象

何も切れ込みがないノーベント
動きが激しくないときに着用する、現在ではフォーマル用
→「エレガント」な印象

こうした背景や意味合いを知ったうえで、場面に応じて相手に与える印象をコントロールすることが、コーディネイト・スキルのひとつです。
例えば、営業先のクライアントに活動的でフットワークの軽さを印象づけたいときにはセンターベントのスーツ、管理職に昇進し、初めてのスピーチをするときには重厚な印象を与えるサイドベンツのスーツ、といったように意識して使い分けをしてみてください。

一方、シーン別に選ぶのではなく、体型から考える場合は、ヒップが大きめの方にはサイドベンツをおすすめしています。ヒップの動きで開きっぱなしになっているセンターベントは、ステキなうしろ姿とは言えません。

ベントの種類に関わらず、ヒップまわりが無理なくすっきりと体にフィットしていることが、ステキなうしろ姿のポイントです。

自らを客観視しながらステキなうしろ姿をつくることは、自分が作成した企画書を客観的にあらゆる方向から検討することと同じです。仕事ができるビジネスマンはうしろ姿に表れるのです。
ぜひ、スーツを着用する際には、うしろ姿を確認することをお忘れなく。