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あなたの品格を表す腕時計の選び方

2019.04.01

あなたは仕事のあいだ、腕時計をしていますか?
どんな時計をしようと仕事とは関係ありません。・・・が、身につける時計には、印象を左右するだけのパワーがあることをぜひ知っておきましょう。

時計は、社長就任記者会見、新製品発表会、謝罪会見のときのイメージコンサルティングの最終チェックポイントです。かつて、某企業の謝罪会見で1,000万円近い高級腕時計をしていた社長がメディアで話題となり、その後しばらく何かと取り上げられるネタとなりました。

女性にとって宝飾品を身につけることがステイタスである一方、男性は時計と車がステイタスシンボルであるといわれます。ベンツやポルシェなどの高級車に乗ることが富の象徴であるように、高級腕時計も富裕層にとって大切なアクセサリーです。ヨーロッパ貴族は次の世代に時計を受け継いでいくというだけあって、高級車と同額の高級腕時計は宝石がちりばめられ、まさに財宝といえます。

ブランドコンセプトの整合性が鍵

さて、印象を左右するパワーをもつ時計はどのように選ぶべきなのでしょうか?
印象マネジメントとしての腕時計の選択基準は、「時計メーカーのブランドコンセプトとパーソナルなブランドコンセプトの整合性」です。

極端な例ですが、貴族が身につけるとされているパテック・フィリップを働き盛りの30〜40代のビジネスマンが身につけるとなると、なんともちぐはぐな印象です。どんな理由にせよ、それだけの稼ぎがないはずの年代なのに買えるということは、お金持ちの道楽息子に違いないと思われても仕方ありません。繊細で華奢な印象の老舗呉服屋の社長が大判ロレックスというのも、しっくりきませんね。

宝石と同じく、顔の印象や服装、体格と合っているかどうか、それを身につける中身、つまり経験や収入、そして職種や性格とマッチしているかどうかで腕時計を選ぶことが重要です。
つまり、あなたが身につけている腕時計で、ファッションセンスだけでなく、ヒューマンセンスが問われるのです。

もしあなたが腕時計を新調しようとお考えなら、とことんブランドの歴史やコンセプトを調べ、自分の生き方に合うものを選ぶことをおすすめします。ブランドによって実にさまざまな歴史やドラマがあるので、一度ぜひ調べてみてください。

デザインも、もちろん重要です。ヘッドの形は自分の体格に合わせます。
・細い体型・・・長方形
・がっちり体型・・・丸形
が適当です。
ヘッドの大きさは体の大きさに合わせます。小柄な人があまりに大きなヘッドでは滑稽な印象になりかねません。ビジネススーツには金属ベルトよりも革ベルトがよしとされています。キラキラしたものをこれ見よがしに身につけない、という嗜みからです。そして、ビジネス用であれば文字盤は白をおすすめします。視覚的に時間が見えやすいという点で時間への厳しさを表します。文字についても遊びのないものがよいでしょう。最近、オシャレな紳士の間で好まれるフランク ミュラーですが、個性的な文字盤には遊び人の印象があることを知っておいてください。

最後に、収入が上がればそれなりのものを身につけたくなるのが男の性です。しかし、どんなに高い腕時計を欲しても年収の1割以上の腕時計はタブーです。年収1億円であれば1,000万円以下、年収1,000万円であれば100万円以下でしょう。謙虚さを美とする考え方は、私たち日本人の良さでもあります。謙虚さをもって身分相応の腕時計を選ぶことが、品格のある印象マネジメントです。