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香りを制する方法

2020.10.31

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すっかり秋らしい季節になりました。withコロナの日常にも慣れつつある今日この頃です。さて、コロナウイルスはさまざまなことに影響を及ぼしています。出張や出勤の頻度、会議や打ち合わせ、商談の手段、そしてオフィスの在り方に至るまで・・・。今後、ある程度の在宅勤務を前提に、オフィスを縮小する会社が増えているようです。必要最低限のオフィススペースに数名単位での出勤、これからは、このような様式がスタンダードになるのかもしれません。

さて、これまではどこのオフィスでも窓を全開にして換気に努めていたことと思いますが、寒くなるとなかなかそうはいきません。空気清浄機にマスクにとコロナ対策に注意することはもちろんですが、もう一つ注意していただきたいことがあります。それは「臭い」です。


嗅覚は本能的な感覚

五感のひとつである嗅覚が、視覚や聴覚、触覚と大きく違うところは、脳への伝播経路です。鼻で受容された香りの情報は、まず大脳辺縁系という古い皮質に伝達され、さらに視床下部、すぐ下にある下垂体へと伝達されます。同時に大脳皮質の嗅覚野にも到達し、ここで香りを知覚し何の香りかを判断します。

大脳には「新しい皮質」の大脳新皮質と「古い皮質」の大脳辺縁系があり、古い皮質である大脳辺縁系は食欲や性欲などの動物と共通した本能に基づく行動、喜怒哀楽などの情緒行動を支配します。
嗅覚はこの大脳辺縁系とダイレクトにつながっているため、視覚や聴覚などの他の感覚と違い、もっとも原始的で本能的な感覚なのです。

香りから昔の彼との出来事を思い出すという女性も多く、女性でなくても香りはあらゆる感情を湧き上がらせるトリガーとなりえるのです。
通常「いい匂いだ」と判断する香りに対して感情的に好反応する一方で、嫌な香りには感情的あるいは本能的に嫌悪感を抱きます。

体から発する臭いから人に嫌われてしまうということも考えられます。
くさいとレッテルを貼られてしまえば、話を聞く以前から偏見をもたれてしまいます。ビジネスマンにとって香りを制することがいかに重要なことなのか、おわかりいただけたでしょうか。


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香りを制するには

では、香りを制する方法はどんなものがあるでしょう。
まずは、自分の肉体を清潔な状態に保つことが先決です。自分は体臭があるほうだと思えば朝のシャワーを心掛けること。スーツは最低3着、靴は2足を所持し、毎日取り替えることが絶対条件です。
消臭剤をかけてまる1日風通しのよいところに吊るしておけば、体臭は消えるはずです。

さらに、40歳を過ぎれば人によっては加齢臭が出始めているかもしれません。加齢臭はノネナールと呼ばれ、女性にもっとも嫌われる臭いです。男性同士はあまり気にならなくても、女性にとっては居ても立ってもいられない嫌な臭いです。
加齢臭が出始めたら、オードトワレを味方につけることが得策です。「いまさら香りなんて気恥ずかしい」とか「気取っていると思われるのでは」と心配する人もいると思いますが、つけ方を間違えなければ、ほんのり香りがする程度。好感度は上がっても、嫌われることはまずありません。

朝のシャワー後、ウエストの側面あたりの肌にオードトワレをたったの1プッシュで十分です。体温とともに香りたち、会社に着くころにはシャツの隙間からさりげなくほのかに香り、さわやかな印象を与えるはずです。やはり、付け過ぎには要注意です。だんだん慣れてくると自分では匂いがわからなくなって、考えられないほどきつい臭いを発している人が、男性にも女性にもいますね。最近では、スメハラ(スメルハラスメント)という言葉も聞くようになりました。不清潔な臭い、香水の付け過ぎといったことは避けましょう。

おわりに

最後に、感情や本能に直接影響する香りだからこそ、香りであなたを印象づけることも可能です。自分に合う香りを見つけ出すことは、自分らしいプレゼンテーション方法を模索することと似ています。
自分の顔の印象や、内面の特長、そしてセールスポイントや好みを自己分析した上で、「さわやか」「ダイナミック」「クール」「シック」「スポーティ」などのテーマを決めて、フレグランスショップにいざ出陣。新たな自分発見につながるかもしれません。