コラムColumn

自民党総裁選に見るネクタイの色

2020.09.23

青、黄、赤のネクタイ
総裁選2020(https://www.jimin.jp/election/results/sousai20/)総裁選候補者キャッチフレーズ🌟(2020.9.12)より

9月14日、自民党総裁選によって菅義偉氏が選出され、16日に菅内閣が発足しました。選挙結果があまりにも見え過ぎた総裁選でしたが、今回のコラムでは、見事に分かれた候補者3名のネクタイの色に注目します。

ネクタイの色は重ならないようにするのが選挙の常ですが、今回の総裁選では、信号色に、見事に分かれました。

菅氏・・・黄色のネクタイ
石破氏・・・青色のネクタイ
岸田氏・・・赤色のネクタイ

黄色は親和、青は知性、赤は活気を表現します。
それぞれの色について、もう少し詳しく説明しましょう。

親しみの「黄」

信号機の「黄色は注意」に代表されるように、黄色は“人の注意を引く”のに最も効果的な色です。それも、赤のように強い主張はなくても目立ちます。
さらに黄色は、目立つのに嫌われない、親しみのあるコミュニケーションカラーです。幼稚園児がかぶる帽子やランドセルのカバーが黄色いのもそうした理由からです。
また、黄色には、太陽の光に向かって大輪の花を咲かせるひまわりのように、「ほがらか・元気」なイメージもあります。「ビタミンカラー」ともいわれる黄色は、元気になりたいときやテンションを上げたい時にも有効なので展示会やイベント用のジャケットにもよく使われます。
黄色は親しみのあるコミュニケーションカラーである一方、「落ち着きがない・幼稚」というイメージもあるので、子どもっぽくならない使い方を意識しましょう。

堅実の「青」

青には、神経を落ち着かせ、血圧を下げる働きがあります。青い空や海を見ていると、ゆったり時間が過ぎ、リラックスできますね。その心理効果を利用しているのが、バーカウンターの青い壁や水槽です。それだけ、青や紺は人を安心させる色なのです。
警備員やパイロット、電車の運転手、警察官など、何よりも「堅実・安全」が求められる制服に紺が多いのはそのためです。制服の色は職業観の表現。だからシンプルで明確にイメージを伝えられる色が選ばれるのです。
さらに、明るい青には「快活さ」が加わるので、サッカー日本代表を始め、スポーツのユニフォームにもよく使われます。
時代劇にも青はよく登場します。銭形平次や遠山の金さんなど、「お上」に関わる仕事に就いているヒーローの多くは紺や青系を着ていますから、「制服に青」は時代や流行に関係ないようです。
式典やお祝いの席など、敬う気持ちをあらわすときは無地の濃紺のスーツがよいでしょう。決して派手ではありませんが、上品で誠実な装いです。
また、女性であれば、アイメイクに明るいブルーを使うと、アクティブでクールなイメージを演出することができますし、落ち着いたブルーのドレスやストールを使うと、クラシックな雰囲気の装いになります。
青の持つポジティブなイメージは、「落ち着き・格式・堅実性」ですが、同時に「保守的・堅苦しい」というネガティブ・イメージを併せ持っていることにも注意しておきましょう。

活力の「赤」

赤は戦国時代、武士の鎧兜にもよく使われました。赤は戦場のような緊張した場面で瞬間的にパワーを爆発させる色だからです。赤には、青とは逆に精神を高揚させ、血圧を上昇させる働きがあります。直接肌につけるふんどしや腰巻が赤いのは、こうした赤の力を取り入れるためです。
私たちは普段意識していませんが、視覚だけでなく肌でも「色」を感じています。赤外線など赤い光には熱を感じますし、最近では「遠赤外線」を利用した、いろいろなものが出まわっていますね。赤だけでなく、全ての色は光の波長によって、それぞれ個別のエネルギーを持っていて、私たちは目と肌でそれを感じ取っているのです。
ダイナミックで情熱的、大胆さを感じさせてくれる赤ですが、一方で感情の起伏が激しい、暑苦しいといったイメージもあるので、ビジネスシーンで何気なく使うのは危険です。赤いフレームのメガネやネクタイなどはインパクトがあるだけに、そこに何か意図があるのでは?と相手に感じさせてしまうからです。
赤いネクタイは、士気を盛り上げる内容でのスピーチなど、目的が明確なときに戦略的に使うように注意したい色です。


さて、このように「相手に対してどんな印象を与えたいか」を考えて、戦略的にネクタイの色を選ぶことは重要です。非言語情報で相手に訴えかけることができれば、さらに相手に思いを伝えることができるでしょう。

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