コラムColumn

ビジネスパフォーマンスにおける声の力

2020.08.31

ウェビナーの写真


すっかりオンラインでの商談や打ち合わせが日常になりました。そのような中で、画面の向こうのお相手が声を発したとたん、グッと惹きつけられた経験はありませんか?
オンラインに限らず、初対面でパッとしないと思ったのに声を聴いて惹きつけられた、またその逆で、見た目がよくても声を発したとたん、がっかりした・・・という経験を誰もがしていると思います。
オンラインでは、画面から受け取る情報が少ない分、余計に声の印象が相手に大きな印象を与えます。

南カリフォルニア大学のメラビアン教授による「メラビアンの法則」によると、55%が見た目、38%が耳で聞いた印象がその人のプレゼンテーションのよしあしに響いてくるのです。
さらに、私たちは、話し方を気にしがちですが、それ以上に「声」という音現像のほうが、本能を刺激していることを忘れてはいけません。

声は生命力の現れです。息の漏れた声やハリのない声は生命力の弱さを見せているようなもの。同様に、頭のてっぺんから出ているような高い金属音も、子供っぽさや、異常なほどの緊張を感じさせてしまいます。それではどんなに強く張り上げていても、説得力を感じさせることはできないでしょう。
また、気持ちの迷いや揺れから出た、語尾のはっきりしない話し方も、自信のなさを伝えてしまいます。
生命力を感じさせる声は、よく通り、言葉も明瞭。言葉がはっきりしているというのは、同時に自信の現れでもあり、言葉に込められた意思もよく伝わります。このように、声が与える影響力は大きいのです。


マイクの写真


さて、声は、呼吸からつくられるものです。深い呼吸による朗々とした歌声は、こちらまで大らかな気持ちになりますが、逆に口先だけの歌は、聞き続けていると気分が悪くなります。もっとも声を発している本人がよい気分ではないはずですから、こちらに伝わってしまうのも無理はありません。

当然、もともとの声質はありますが、声というのは明るさや優しさ、厳しさを表すものです。つまり声にもそれだけの表情があるわけです。たとえば、深い呼吸によって出ている声は、相手をリラックスさせ、気持ちを開かせる効果があります。ですから、声は腹から出す必要があるのです。

また、声を出すときの精神状態も、密接な関わりがあります。リラックスしていれば声は出しやすくなりますが、あせったり、自信がなかったり、緊張したりすると、自然に呼吸が浅くなり、口先やのど、あるいは胸から声を発してしまうのです。プレゼンなどで声がうわずるのはそのためです。

どんなときでも腹で呼吸ができるよう、日頃から鍛えておくことが重要です。「腹が据わった」「腹が決まった」「太っ腹」な声は、それだけで相手に対する説得力を持つのです。

声は、からだの状態だけでなく、心の状態、そして、その人のエネルギーをそのまま相手に伝えてしまう非言語情報です。ビジネスシーンで声をないがしろにしていると、「なんとなく頼りない」「せっかちな感じがする」「意思が弱そう」・・・そんなように思われてしまって、あなたの知らないところで損をしている可能性があります。

声を磨くには、安定した健康な肉体をつくり、気をコントロールする技術を磨くことにつきます。一昼夜ではできない声は、毎日の意識とトレーニングが鍵ということです。


ビジネス・プレゼンコースはこちら
(ボイス分析&トレーニングも含まれています)