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チーム力を高める「プロジェクト・カラー」のすすめ

2020.07.18

ハンバーガーの写真

新型コロナウイルスの影響で、さまざまな業界が打撃を受けています。その中でも特に外食業界は強い影響を受け、大手企業をはじめ大きなダメージを受けました。そのようななかで、日本マクドナルドホールディングスが好業績をあげたことは、驚きをもって伝えられました。

さて、飲食店、なかでもマクドナルドをはじめとするファーストフード店の制服や内装は、赤系が圧倒的に多いですね。赤には食べ物をおいしそうに見せ、適度に食欲を増幅する色彩効果があります。
また、赤系の空間にいると神経が高揚してアクティブな状態になり、短時間に食事を済ませて次の行動に移りたいという気分になります。
これがリラックスの青だと、ゆったりくつろいでしまいます。効率的にお客様を回転させたいファーストフード店の内装に赤が使われるのは、こうした理由からです。

ちなみに、明度の高い赤はピンクです。こちらは精神の高揚もほどほどで、舞い上がるようなふわふわした軽さが魅力です。赤に黄色を加えるとオレンジに、青を加えると紫になります。

このように、「色の持つイメージ」について知ることはとても重要です。
私たちの潜在意識には、「色」のイメージが深く刻み込まれ、「色」について膨大な情報が刷り込まれています。そして、その情報を瞬時に引き出して、目の前の現象を判断しているのです。
ということは、「色の持つイメージ」を知って、その力を借りれば、初対面で好印象を与える服装戦略を効果的にしたり、好感度をあげることができるということです。
色が持つ情報は、大切な「非言語コミュニケーション」の手段なのです。


ロゴの色から「心理」が読み取れる

例えば、スターバックスの「緑」、ドトールの「黄」、タリーズの「オレンジ」。コーヒー党の方なら、何気なく街を歩いていても数ある看板のなかからすぐに見分けられると思います。安心・安全の緑、コミュニケーションカラーの黄、ビタミンカラーのオレンジと、同じコーヒーを消費者に訴えるにもいろいろな手法があるものです。
「色」は、商品やサービスのイメージと直結する大事な要素だけに、どの企業も知恵を絞っています。基本となるのは、やはりそれぞれの色が持つ特性です。

牛丼チェーンの「吉野家」「すき家」「松屋」の看板はみなオレンジ系。こちらは同業他社との差別化よりも、本能に訴えかけることを優先して色を選んだわけですね。
ところが、同じ店内の棚に他社といっしょに並ぶビールではそうはいきません。「キリン」が赤、「サッポロ」が黄色の星、「アサヒ」が黒と明確に差別化を打ち出しています。


プロジェクト・カラーのすすめ

さて、このように大切な「非言語コミュニケーション」の手段となる「色」の力を借りて、お金も手間もかけずにチームの結束力を図る方法もあります。
ちょっとしたプロジェクトにテーマカラーを決めるのです。

たとえば、新製品展示会に向けて、何人かの担当がチームを組んだとします。最初の打ち合わせで、まず発表会の目的が話し合われると思います。ターゲットは誰か、その商品のどんなところをアピールするかなどです。
そのときに、その目的をひとつの「色」であらわしてみるのです。緑でも青でも、あるいはゴールドでもよいでしょう。大切なのは、皆が共通のイメージを持つことです。
テーマカラーが決まったら、「◯◯グリーンプロジェクト」「チーム・グリーン」「◯◯展示会緑組」など、なんでもよいのですが、その後のミーティングやチームの呼び名に色を織り込むのです。
その仕事に携わるときには、各自がテーマカラーを身につけるようにすることを基本ルールにします。不思議なもので、色による定義づけは言葉よりもソフトでありながら、意識に強く刻まれ、チームとしての結束力を高めます。
また、発想力も豊かになります。オンライン会議などでも、使える手法です。
ぜひ試してみてください。


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