コラムColumn

マスクで魅力は上がる?下がる?

2022.05.01

マスクの写真


コロナ禍3年目を迎えるなかで、未だマスクなしでは外出しにくい状況が続いています。すっかり生活に定着したマスク。さて、今回はそんなマスクの装着に関する興味深い実験をご紹介します。

北海道大学大学院文学研究院の河原教授らの研究グループが2021年6月に行った、マスクの装着が魅力に及ぼす効果についての実験です。

内容は、白または黒色のマスクを付けた20~30歳代の顔画像(女性 66 名)をコンピュータ画面上に1枚ずつ呈示し、18歳以上の男女合計59名の評定者が画像1枚ごとに感じる外見的魅力や健康さを1から100の範囲で評定するというものです。

さて、結果は・・・
もともと顔の魅力が高い人がマスクを装着すると魅力が【下がる】
もともと顔の魅力が低い人がマスクを装着すると魅力が【上がる】
ということでした。

この、もともとの魅力に応じてマスク装着の効果が異なる理由について、以下のように述べられています。
左右のバランスがとれている,肌の状態が良いなどの,もともと魅力的な特徴がマスクで隠されると,その人の魅力は下がる。
一方で,左右のアンバランスや肌の傷やニキビなどが隠されることで,魅力が上がると考えられる。
つまり、良い特徴が隠れると魅力が下がるし、悪い特徴が隠れると魅力が上がる、ということです。

確かに、鼻をかみすぎて鼻の下が赤くなっていたり、口まわりにニキビができてしまっていたら、マスクで隠せば見えなくなります。
ただ、これはやはりマスクで“完全に”隠せるからこのような結果になるわけです。
この実験結果を見て、自分のあまり魅力的ではない部分は「隠せばいい」と考えるのは早計です。


人が顔を隠している写真


まず、私の経験上、多くの人が思っている「自分の魅力的ではない部分」「コンプレックスに感じている部分」が実は魅力的な特徴である、ということが少なくありません。
童顔、強面、薄毛、えらが張っている、一重などなど・・・
それぞれの特徴に似合った髪型やコーディネイトで全体をトータルに考えることで、これらはすべて魅力になります。

また、「自分の魅力的ではない部分」「コンプレックスに感じている部分」はマスクのように“完全に”隠すことが難しい場合が多いです。
薄毛は隠そうとすればするほど悪目立ちします。
童顔だからと髭を伸ばしたり、髪をオールバックにするとちぐはぐな印象になります。
やはり自分を客観視すること、どこか一部だけに注目するのではなく、全体的に考えることが大切です。

ただしこれは、なかなか自分では難しい場合も。
そんなときは、ぜひプロの意見を聞いてみてください。

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追伸

このマスクの装着に関する研究では、「黒マスク」の印象についても取り上げられています。
それによると、「黒マスク装着で魅力は上がるか、下がるか?」という調査に対して、
コロナ以前の2016年は、
魅力は下がる・・・56%
魅力は変わらない・・・20%
魅力は上がる・・・24%
という結果となり、半数以上がネガティブな印象をもっていました。

しかし、コロナ禍の2020年は、
魅力は下がる・・・20%
魅力は変わらない・・・41%
魅力は上がる・・・39%
という結果となり、ネガティブな印象がかなり減少し、「変わらない」「魅力アップ」と答えた人の合計が80%となりました。

見慣れる、ことでここまで印象が変わるなんて、おもしろい現象ですね。