季節の色を服装に取り入れる
2022.04.01
桜の季節です。
これまでも度々述べてきましたが、日本には「四季」というすばらしい自然の移り変わりがあります。
「だいぶ暖かくなってきましたね」
「今日は風がさわやかですね」
といった具合に、お天気や季節の話題は挨拶代わりのクッション会話になります。ビジネス文書に挿入される定型句の役割ですね。四季に関しては、日本人ならほぼみんなが同じように感じることですから共感が得られやすい。これを服装にも取り入れるのです。
私のスタジオでは、月に1度「季節の色」をドレスコードにして気軽なパーティを開いていました。
3月は「ホワイトデー」にひっかけて「白」、4月は「桜色」、5月は「サックスブルー」といった具合です。これが特に男性には好評でした。服装のどこかに季節を取り入れるだけで、いままで意識していなかった感性が目覚めるようです。
もともと私たちは自然のなかで生きているわけですから、春は桜の下に、暑い夏は涼やかな水辺に、秋は紅葉に、寒い冬は雪景色のなかに、四季折々の環境に身をおくと、心が落ち着くものなのです。
そして不思議なことに、特に女性は職場で着る服の色がかぶったりすることがあります。以前の職場で、5人もの女性社員が同じ日に示し合わせたようにピンクを着てきたことがありました。無意識のうちに、その日に選ぶ色が環境の影響を受けているのです。
そんなときにはかぶった色をきっかけに会話が生まれます。
「今日はピンクを着たい気分よね」
「そうそう。営業成績はイマイチだし、天気もパッとしないじゃない。せめて服くらいは明るく楽しいピンクでね」
また、男女間であれば、
「きれいなピンクを着ているね。そうか、もう桜の季節だね。お花見にいきたいもんだ」
と、こんな具合です。
日本人は「そのワンピース、とっても君に似合っているよ。ステキだね」などとあからさまにほめたり、ほめられたりするのが苦手です。
その点、季節の話題は「相手のセンスに気づいてますよ」というサインを、さらりと送ることができます。それだけでもコミュニケーションは格段によいものになります。
とにかく効率優先で季節を感じられないビジネスシーンだからこそ、季節の要素を服装に取り入れてみましょう。
まさに春爛漫のいまなら、「ピンク」を取り入れてみてはいかがでしょうか。
男性、特に年配の方に「ピンクは女の子の色」と思われがちですが、最近では若い世代を中心に男性でも上手にピンクを使いこなす人が増えてきました。
ネクタイにもよく使われていますし、ペール(淡い)ピンクのシャツも、ごく普通に見かけるようになりました。
「ピンク」といえば桜。ソメイヨシノに代表される、ほとんど白に近い「桜色」から、ひと昔前まではピンクの呼称として普通に使われていた「桃色」、林家ペー・パー子さんのトレードマーク「ショッキング・ピンク」まで、実に様々ですね。
明るい赤であるピンクは交感神経を刺激しますが、赤ほど過激ではなく、ほどよい刺激で、どこまでもふわふわと上昇気分になれる色。
そのピンクを男性が上手に身に着けていれば、女性からの好感度は増すでしょう。少なくとも「女性の好みを意識している人」だという印象を与えることができますので、女性が多い職場や、女性と接する機会が多い職業の人には戦略的にも有効な色です。
ただピンクの種類によっては、「品がない、わがまま、幼稚」といったマイナスイメージもありますので、身に着けたときに違和感がないように気を付けましょう。
最後に、「四季の色」という非言語の力は、案外大きなもので、人の感性に直接訴えかける働きを持っています。特に男性は感性トレーニングのつもりで、四季の色を服装に取り入れられること、そして気づいたら口に出してみてください。きっとコミュニケーションが円滑になります。
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