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ウォームビズを楽しむ重ね着の基本

2019.11.14

Vネックセーターにグレージャケットの男性写真

11月に入り、いよいよ肌寒くなりました。環境省が平成17年度から提唱しているウォームビズも一般的に広く定着してきたように思います。環境省のwebサイトによると、ウォームビズ期間は11月1日から3月31日まで、冬期の室温の適正化とその温度に適した取組を呼び掛けています。取り組みはさまざまですが、オフィスでの服装に関して言えば、薄手のニットやベストを上手に重ね着する、暖かいインナーを身につける、すぐに羽織れる一枚を用意する・・・といったことが推奨されています。
ジャケットを脱ぎ、ネクタイを外し、シャツ1枚にこだわればいいクールビズは、シャツを中心に、スラックス、ベルト、靴、靴下を順に選んでいけばそれで十分でした。しかしながら、このウォームビズはそうはいきません。重ね着の技が問われるのです。今回は、重ね着の技の基本を中心にご説明します。

重ね着の技の基本

さて、まず重ね着の基本は、身体の表面積を大きく占めるアウター(ジャケット)から入り、インナーを合わせていくことです。ビジネススーツよりも色のバリエーションがあるので、まずは自分の肌や髪の色に合う色を見つけ出すことが大切です。例えば、同じグリーンでも青みの強いグリーン、黄みが強いグリーンではまったく顔映りが変わるので、簡単なことではありません。

ジャケットを決めたら、次にスラックスを決めます。黒、またはグレー、紺、こげ茶が基本になりますが、ジャケットと同系色で選んでいっても間違いはありません。

ジャケットとスラックスが決まれば、インナーです。シャツであれば開襟かマオカラー、セーターであれば丸首かVネックか選びます。必ず、どちらか似合うほうがあるはずです。開襟シャツの上にVネックセーターを重ねる場合は、ネクタイを締めると、きちんとした雰囲気になります。この場合は、ニット編みのネクタイもおすすめです。丸首セーターであれば、その下はTシャツでもいいでしょう。Tシャツの襟元が少しセーターから出るものを選ぶと、色の組み合わせも楽しめます。首元が寂しければ、スカーフやストールなどを使うとさらにオシャレに見えます。

いずれにせよ、インナーの色はジャケットに合わせること。同系色を重ねていけば、間違いのない着こなしになります。色の組み合わせにとことんこだわっていけば、さらに一歩進んだオシャレに挑戦できる日も遠くはありません。

茶色のジャケットの男性写真

茶色の使い方は要注意

最後に、冬に取り入れたくなる茶色についての注意点です。
まず、茶のジャケットやスーツを着ている人を思い浮かべてみてください。作家や研究者、教員など「先生」がつく職業やクリエイティブ系のフリーランサー、一線を退いたリタイア世代の方にも茶を着ている男性は多いですね。
彼らに共通するのは「マイペース」。自然で飾り気がないイメージがある茶は、周囲をあまり気にしない、女性でいうと色気のないタイプに見られてしまうおそれがあります。
組織内である程度ポジションが上がって、指導力や統率力が求められている場合、茶色は「真面目でいい人なんだけど、リーダーとしてはちょっと・・・」という印象を与えてしまいかねません。ビジネスシーンでは、茶が“もっさり”とした印象にならないように、明るさやデザイン、色の組み合わせなどでシャープに使いこなすことを意識しましょう。
最近では、若い世代を中心に茶の靴やバッグを普通に使う人が多いですが、ビジネスシーン、それも公式な場に茶はふさわしくありません。紺や黒を必ず使うようにしましょう。

「茶」は大地、土の色。農耕民族である日本人にはとても親しみのある色です。茶にはコーヒーや葉巻などのように大人の男としての落ち着いたイメージがありますので、小物などに上手く取り入れると大人のゆとりを感じさせ、好印象に。最近では、緑とともにエコなイメージも演出できるので、TPOに合わせて使いこなしたい色です。