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「zoom疲れ」していませんか?

2021.06.28

オンライン会議をしているPC画面の写真

 

新型コロナウィルス感染拡大による、緊急事態宣言が最初に発令された2020年4月から、早1年が経ちました。
すっかりリモートワークが定着し、オンライン会議、web面談、LINE WORKSなど、対面でのやり取りが減り、オンラインでのコミュニケーションが一気に増加しました。この1年でコミュニケーションの在り方に大きな変化があったと実感しています。
  

さて、そのような中で、最近「zoom疲れ」という言葉を耳にするようになりました。オンライン会議がもたらす、精神的なストレスに注目が集まっています。
  

どうして「zoom疲れ」が起きるのでしょうか?
今回は、2021年2月にスタンフォード大学の研究チームが発表した、「zoom」疲れを分析した論文をご紹介します。
(Nonverbal Overload: A Theoretical Argument for the Causes of Zoom Fatigue,Jeremy N. Bailenson,2021.2,https://tmb.apaopen.org/pub/nonverbal-overload/release/1)

  

「zoom疲れ」が起こるのはなぜ?

 
こちらの研究では、zoom疲れが起こる原因を4つ挙げています。

1)多数の視線と過度なアイコンタクト
会議の参加者全員から近距離で見つめられること、参加者全員の顔を絶えず見つめていなければならないことにストレスを感じる。
  

2)自分自身を見続けなければならない
会議で自分の顔を見続けるのは現実世界で鏡を見ながら人と会話するのと同じこと。自分自身の姿を見ると、自分に対する批判的な感情が増えることが過去の研究からわかっており、zoom会議で自分の顔を毎日何時間も見つめ続けていることは、大きな負担になる。
  

3)移動できない
zoom会議ではカメラ前から動けない。これは人間にとって不自然な制限。
  

4)大げさなジェスチャーの必要性が増す
対面では、非言語コミュニケーションが自然な形で無意識に行われるが、zoom会議では、意識的に大げさに頷いたり、身振り手振りを交える必要があり、疲労につながる。
  

円陣を組むチームの写真

 

「zoom疲れ」を防ぐためには

 
これら、4つのzoom疲れの原因の解決策として、zoomの表示を小さくする、ディスプレイからの距離を取る、セルフ表示機能をオフにする、こまめに休憩時間を設ける、ビデオオフの時間を設ける、音声だけの時間をつくる、などが挙げられています。
   
また、リモート環境で「デジタル・インティマシ―(親密な関係)」を生み出す方法を研究しているマイケル・ローネンによると、この親密な関係を生み出す最適な参加人数は6人前後だそうです。
また、ローネンは、オンラインで親密になるコツとして、同じもの(窓の外の月など)を見たり、同じ料理やスナックを食べながら交流することを挙げています。
  

ここで、オンライン会議でお互いにつながりを感じられるように、私からも1つ提案があります。
それは、「非言語コミュニケーション」の手段となる「色」の力を借りて、チームの結束力を高める方法です。
  

テーマカラーを決めて、「チーム・グリーン」のように名前を付て、
ミーティングやチームの呼び名に色を織り込むのです。
そして、その仕事に携わるときには、各自がテーマカラーを身につけるようにすることを基本ルールにします。
不思議なもので、色による定義づけは言葉よりもソフトでありながら、 意識に強く刻まれ、チームとしての結束力を高めます。発想力も豊かになります。
  

会議中に同じものを見たり食べたりすることはなかなか難しいと思いますが、同じ色を身に着けることは手軽に取り入れられ、またオンラインでも、視覚的にわかりやすいというメリットがあります。
ぜひ、オンライン会議で試してみてください。
  

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チーム力を高める「プロジェクト・カラー」のすすめ